
自社の経営陣だけでEOS®を導入する「セルフインプリメント」。
何から手をつければいいのか、最低限おさえておきたいポイントを一つの記事にまとめました。
各ツールの詳しい使い方は、まず『トラクション』を読むところから始めてください。
セルフインプリメントとは
セルフインプリメントとは、EOSインプリメンター(EOS®導入をサポートする専門家)を雇わず、自社の経営チームだけでEOSを導入し、運用していく進め方です。
外部の専門家に頼らない分、コストは抑えられますが、その分の規律とコミットメントを社内で確保する必要があります。
セルフインプリメントに必要な5つの条件
セルフインプリメントを成功させるには、次の5つが欠かせません。
1.インプリメンター役を担える人材が社内にいること
EOS®について社内で一番詳しく、情熱もあり、正しくチームを導いてくれる人を一人指名する必要があります。
単なる進行役ではなく、チームに対して耳の痛いことも言える立場と客観性を持った人物が必要です。
2.学習と実行のための時間を確保できること
教材を読み込み、ツールを習得し、継続的にトレーニングする時間を、経営陣全体で捻出します。
3.規律を守り抜くこと
会議を絶対にスキップしない、ツールをつまみ食いしない。
この規律を貫けるかどうかが成否を分けます。
4.客観性を保てる仕組みを作ること
社内の人間関係や過去の経緯に流されず、都合の悪い議論も避けない体制を用意します。
5.ピュアなEOS®を導入し使いこなすこと
EOS®はすでに完成され、余計なものを極限まで削ったシンプルな「経営のOS」です。
ピュアな状態で使いこなすことで最大の効果を発揮します。
チームの判断で何かを追加したり、逆に必要なものを削ったりしないことです。
全体最適が崩れ、部分最適に陥ります。
進め方の全体像
1.経営陣全員でEOSの全体像を理解する
2.実装責任者(セルフインプリメンター)を1人決める
3.全員が『トラクション』を読み終える
4.5つの基礎ツールを一つずつ導入する(VTO → アカウンタビリティ・チャート → 石 → ミーティングのリズム → スコアカード)
5.四半期ごとに石を見直し、年次でビジョンを再検討するリズムに乗せる
最初に揃える5つの基礎ツール
ビジョン・トラクションシート(V/TO)
会社の方向性を2ページにまとめるツールです。
コアバリュー、コアフォーカス、10年目標、マーケティング戦略、3年イメージ、1年計画、四半期の石、課題リストの8つの項目について、経営チームで明確に答えを出します。
これにより経営チームメンバー全員が会社のあるべき姿と方向性について100%合意することができます。
アカウンタビリティ・チャート
ただの組織図ではなく、「誰がどの機能に責任を持つか」を明確にするツールです。
人に合わせて組織を作るのではなく、まずあるべき構造と機能をデザインし、あとから人を座らせる(構造が先、人は後)が原則です。
責任の空白がなくなり、重複も改善され、機能的で効率的な組織ができあがります。
石
四半期ごとに設定する3〜7個の最重要優先事項です。
担当者・期限・完了基準を明確にし、日々の業務に埋もれず「優先事項を本当に優先して完了させる」ためのシンプルな仕組み。
数を絞り込むことが鉄則です。
ミーティングのリズム
週次の10点満点ミーティング、四半期ミーティング、年間計画ミーティングという一定のリズムで会議を回す仕組みです。
頻度や時間、アジェンダを守り続けることが規律の核であり、ここが崩れるとEOS®は形骸化します。
そして、セルフインプリメントにおいてそれはよく起こるので注意が必要です。
スコアカード
週次で5〜15個のデータを数値で追跡するツールです。
本当に重要な「先行指標」を盛り込むのがコツ。
問題を「起きてから」ではなく「起きる前」に察知することを目的とします。
各ツールの具体的な作り方・使い方は、ジーノ・ウィックマン著『トラクション』を読むと体系的に理解できます。
1冊読み込むだけで、5つのツールの意図と使い方がひと通り分かる構成になっています。
「インテグレーター」と「インプリメンター」
セルフインプリメントで特に混乱しやすいのが、インテグレーターとセルフインプリメンター(実装責任者)の役割の違いです。
インテグレーターは経営チームのリーダー、セルフインプリメンターはあくまでEOS®導入に関してのリーダーです。
この二つは別の役割です。
同じ人が兼任することもできますが、まずは役割として切り分けて認識しておくことが重要です。
EOS®のセルフインプリメントが失敗する、よくある落とし穴トップ5
EOS®をセルフインプリメントして成功することは可能ですが、落とし穴に落ちやすいのも事実です。
事前に、特に陥りやすい5つの落とし穴を知っておき、回避できるようにしましょう。
1.会議をスキップする — 10点満点ミーティングや四半期ミーティングを「忙しいから」と省略し始めると、そこから簡単に規律が崩れはじめ、せっかく機能しはじめたEOS®が「ゼロ」になってしまうまではものすごく速いです。
2.ツールをつまみ食いする — 5つのうち気に入ったものだけ使い、苦手なものを避けてしまう。これではEOS®最大の特長である「全体最適」の良さを享受できません。
3.ビジョン・トラクションシートを一度作って終わりにする — ビジョン・トラクションシートは四半期ごとに経営チーム全員でレビューし、会社全体に伝えることが大切です。そこまでやってはじめて機能します。
4.スコアカードの指標が曖昧なまま運用する — 何を測るべきか?が明確になるまで、繰り返し経営チームで議論してください。それが見つかれば、ビジネスは各段にラクになります。
5.オープン、正直なマインドを保てない — 社内の人間関係や過去の経緯に配慮しすぎて、率直な議論ができなくなる。そうなると、EOS®はただの「よくできた運営の仕組み」に過ぎなくなってしまいます。それではEOS®のパワーの10%も享受できません。
さあ、EOS®を導入(セルフインプリメント)しましょう
ここまで読み、経営チームメンバー全員がコミットできたら、まず以下の3つから始めてみましょう。
① 『トラクション』を経営チームの人数分注文し、全員で読み込む
② 「セルフインプリメンター」を指名し、コミットする
③ EOSプロセスに則り、とにかくEOS導入を進める
P.S. 無料ツールのダウンロードはこちらから
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