
社長、AIを使っていますか?
このブログを読むくらい熱心な経営者なら、おそらくガンガン使っているのではないでしょうか。
それも、かなり本格的に。
では聞きます。
AIを使うようになって、経営は本当に良くなったでしょうか。
「100%良くなった」と即答できる経営者は、実はあまりいません。
私たちのクライアントに聞いても、こんな答えが返ってきます。
「うーん、使ってるよ。面白いし、頼りになるよね。でも・・・」
「でも?」
「経営そのものを良くするには、もう少し研究が必要かな」
そうなんです。
AIを使って日常のこまごましたこと、連絡やスケジュール管理、資料作成、文章作成を効率化するのは、もう皆さん慣れてきました。
でもそれは、秘書業務をAIが代わりにやってくれるようになった、というだけの話です。
「経営」そのものとは、あまり関係がありません。
この記事で紹介したいのは、アメリカのあるCEOが、AIを使って「経営」そのものを改善しようと本気で取り組んだ話です。
経営にAIを使い倒す男
その人物は、世界86か国、3万3千社以上に独自の経営メソッドを届けている組織のトップです。
800人を超えるビジネスコーチを束ねています。
社内のデータ基盤にも、日々の意思決定にも、AIをとことん組み込んでいます。
世の中の経営者の中でも、AI活用では相当な上位に入る人物だと言っていいでしょう。
ある日、社内で持ち上がった経営課題を、彼はAIを使って一人で掘り下げることにしました。
議事録の要約や、スケジュール調整を頼んだわけではありません。
経営課題そのものに、AIと一緒に切り込んだのです。
データをあちこち追いかけ、何度も仮説を変え、必要な情報を見極め、明確な結論と計画にたどり着きました。
かかった時間は、これまでなら何日もかかったはずのものが、わずか数時間でした。
ここまでは、上出来です。
一人で先に着いてしまった代償
問題は、そのあとに起きました。
そこにたどり着くまでの道のりを歩いたのは、彼一人だけだったのです。
経営チームは、データと格闘してもいなければ、行き詰まりを経験してもいません。
ましてや、答えがふっと見えた瞬間に立ち会ってもいません。
彼らの頭の中には、こんな疑問が浮かんでいたはずです。
「なんで急に、その結論になったんだろう」
彼らから見れば、CEOはただ「答えを持って部屋に入ってきた人」でしかなかったのです。
そこから彼は、何週間もかけて自分の思考を説明し、すでに自分の中では解決した質問に答え、誰も歩いていない道のりを、みんなの前で再現する羽目になりました。
ものすごく非効率です。
AIを活用して、CEOは速く答えにたどり着きました。
そのせいで、組織全体の前進は遅くなってしまったのです。
皮肉なのは、彼が「その道のプロ」だったということ
この経験を語っているのは、EOS Worldwideのビジョナリー(経営トップ)、マーク・オドネル氏です。
「組織を動かす経営のOS」であるEOS®を、世界中の中小企業に届けている張本人。
AI活用に関しても、経営そのものに関しても、素人ではありません。
むしろプロ中のプロと言ってもいい。
そして何より皮肉なのは、彼が専門にしているのが「バラバラな経営チームを、一つにまとめる」ことそのものだという点です。
その専門家自身が、AIを使った瞬間に、自分のチームを置き去りにしてしまった。
AIは「一人旅」の天才かもしれない
欧米のビジネスの現場で、よく引用される言葉があります。
速く行きたければ、一人で。
遠くまで行きたければ、みんなで。
AIは、もしかしたら人類がこれまでに発明した中で、最強の「一人で速く行くための道具」かもしれません。
分析も、思考の整理も、文章化も、結論を出すことも、恐ろしいスピードでやってくれます。
けれど、チームがその結論を本当に「自分ごと」として引き受けるには、チーム自身がその思考と格闘するプロセスが要ります。
そこだけは、AIが代わりにやってはくれません。
いかがでしょうか。
あなたにも、同じことが起きているかもしれませんね。
「10人の壁」の新しいカタチ
「10人の壁」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
組織が10人を超えたあたりから、急に意思疎通が難しくなり、全員を同じ方向に動かすのが難しくなる、という経営者あるあるです。
もしあなたが一人で経営しているなら、あるいは自分の目が届く3〜7人くらいの組織で、しかもその2〜3人はAIエージェントだったりするなら、今日の話はまだそこまで刺さらないかもしれません。
でも、10人を超える組織を動かしているなら、今日の内容はきっと参考になります。
社長の頭の中にあることを、メンバー全員が理解し、実現に向けて足並みを揃えて動くこと。
それがいかに難しいことか。
「10人の壁」の正体は、たいていこれです。
優秀なAIの出現によって、この壁がさらに分厚くなっているとしたら。
これほど皮肉なことはありません。
組織全体のスピードを上げるために必要なことは?
経営において、スピードは今も昔も重要です。
ここは誤解しないでください。
ただし、意味があるのは「CEO一人のスピード」ではなく、「組織全体のスピード」です。
CEOだけがAIで爆速に答えにたどり着いても、チームが置き去りになれば、組織としての前進はむしろ遅くなります。
今回のマークさんの話が、まさにそうでした。
だとすれば、時にはトップ自らが、あえてペースを落とす必要があります。
チームと一緒にビジョン・トラクションシート™を作り、10点満点ミーティング™で顔を合わせ、課題と向き合い、信頼を積み上げていく。
どれも時間がかかるし、面倒です。
でも、急がば回れ。その面倒な過程を経た組織の方が、結局は遠くまで、そして速く進めます。
社長、CEOであるあなたに、最後に聞きたいことがあります。
その結論に、チームは本当に追いついてきているでしょうか。
それとも、あなただけが、先に着いてしまってはいませんか。
P.S.
「AIも大事だが組織全体のスピードも上げたい」と感じたなら、EOS®を導入してみてください。
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