経営チームが最初のアカウンタビリティチャートを作成するとき、ビジネスの主要な機能を特定するところから始めます。
そして、経営チームのレベルで各役職の役割をリストアップします。
この段階で、私は各リーダーシップポジションにLMA(リード、マネジメント、アカウンタビリティ:人を導き、管理し、責任を持たせる)という概念を紹介します。
管理職のポジションの役割リストには、まずLMAが含まれるべきです。
なぜなら、それがこのポジションで最も重要な要素だからです。
私が指導する経営チームのメンバーの多くは、この重要性をすぐに理解します。
しかし、ビジネスが強化されると同時に、中間管理職のLMAにも注力する必要性が生じることに気づくのです。
リーダーシップチームだけにとどまらない重要性
もちろん、会社のビジョンを策定し、コアバリューを確立するのは経営層から始まります。
ビジョナリーは、EOS®の導入初期に経営チームと共にビジョン・トラクションシート™を完成させます。
しかし、「LMA」を効果的に実行する方法を学び、組織内のすべてのリーダーにLMAの理念を浸透させることが重要です。
年間計画セッションの中で、急成長や急速な発展を経験する企業からは特に、未熟な中間管理職の問題がしばしば浮上してきます。
なぜこうした事態が起こるのでしょうか?
通常、技術的に優れた最前線の社員がチームリーダーや管理職に昇進します。
しかし、チームを率いる経験がないまま新しい役割に就き、適切な研修がなく、完全に準備不足の状態で任務に就くことになります。
こうした新任リーダーは、多くの場合、会議の進行方法や具体的なフィードバックの提供、利益向上とキャッシュフローの改善の推進、あるいはパフォーマンスレビューの実施方法すら分からず、かつての同僚を部下として管理する上で新しい行動を学ぶ必要が出てきます。
これらの関係をうまく築き、敬意と協力の精神で接するには時間と適切な指導が必要です。
多くの人にとって、それは自然に身につくものではありません。
組織のためにも、リーダーシップチームは中間管理職が成功に必要な訓練を受けられるよう支援するべきです。
「ピーターの法則」克服
カナダの教育学者で社会学者であるローレンス・J・ピーター博士は、1968年の著書で「ピーターの法則」を提唱しました。
ピーターの法則は、社員が組織の階層を昇進し続け、やがて自分の能力を超えたポジションに達する現象を指します。
この原則に従えば、最終的には各ポジションにその役割を果たすのに無能な社員が配置されることになります。
こうした社員は新たなスキルを習得できずに昇進を止められ、次世代の有能なリーダーの成長を妨げる要因となります。
つまり、彼らは行き詰まり、自分のチーム全体を行き詰まりに巻き込むリスクが生じます。
ピーターの法則を放置すると、組織には重大な影響が及びます。
まず新しい管理職がリーダーシップスキルに欠け、下層に悪影響が波及し、ミスの増加や生産性・品質の低下、社員の士気低下といった結果を招きます。
一方、必要なスキルを身につけ、リーダーシップ能力を磨いた管理職は、より効果的なリーダーとなります。
そうしたリーダーはチームに対する積極的な関与を引き出し、高い基準を掲げて運営します。
ピーターの法則を克服することで、社員の可能性をさらに引き出し、将来の昇進機会を広げることが可能です。
経営チームは、中間管理職を指導し、優れた上司になる方法を教えることで、彼らをサポートできます。
強力な成長プログラムを確立すれば、企業文化を強化し、上位ポジションへの後継計画に最適な供給体制を築けます。
あなたが組織で人をリードしている立場なら、直属のマネージャーに「優れたボスになる方法」(linkto:https://eosworldwide.jp/eos-tools/)をしっかりと教えているでしょうか?
もし組織全体でEOSを展開している場合、半日間の中間管理職セッションや、優れた上司になるためのワークショップを実施し、リーダー候補を育成することを検討してみてください。
こうしたセッションは、組織内のすべてのリーダーが自分のチームに対してEOSの原則を理解し、実践するための助けとなるでしょう。