強力な「意図的な文化」を作り上げることは、企業にとってなくてはならないことです。
繁栄を目指すベンチャー企業であればなおさらです。
しかし、多くの場合、次の極端な2つの非生産的な状態に陥り、行き詰まってしまいます。
「命令と統制」による管理か、混乱し方向性に欠けた成長です。
どちらも、従業員のエンゲージメント低下、統制の取れないチーム、そして低い収益性まで、企業に高い代償をもたらします。
解決策はあるのでしょうか?
『People: Dare to Build an Intentional Culture』(未邦訳/仮邦題:People:意図的な企業文化を築く勇気)の書籍で紹介されている4象限の「混沌」対「意図的な文化」モデルを見てください。
あなたの会社を、人間のエネルギーを寸分漏らさず「成長」に向けて投入できる、慎重に選びとられ設計された「意図的な文化」にを構築するためのロードマップを提供します。
現状のカルチャーを診断し、コアバリュー(共有すべき価値観)を定義し、組織構造と会議を改善する。
そしてチームが一丸となってトラクション(実行)するような組織を築くための5つの具体的なステップを見ていきましょう。
あなたのチームが壁にぶつかったり、秩序の無さに苛立ちを感じているなら先を読み進めてください。
真の変化をもたらす実行可能なポイントを紹介します。
意図的な文化とは何か?
意図的な文化は、企業のコアバリューが単に壁に貼られているだけでなく、日々実践されている組織です。
意図的に計画され育成するための環境があります。
このような文化を築くことに成功した企業はチームが真に結束し、意思決定は明確で、組織全体に強い目的意識が浸透しています。
これを(皆が異なる方向に走っている)「混沌、混乱」の文化や(創造性とオーナーシップがが抑制された)「命令と統制」の文化と対比してみましょう。
どちらも企業を長期的成功に導くものではありません。
代わりに、意図的に設計された文化はフォーカスが効きながら柔軟でもある、というバランスの取れた環境をつくり、機動性がありエンゲージメントの高い組織を作り出します。
エンゲージメント低下のコスト
意図的な文化を持たない組織は、しばしば重大な課題に直面します:
・従業員のエンゲージメント低下は、アメリカ企業に年間最大5,500億ドルのコストをもたらしています。
・チームがつながりを失うと、目標が分裂し、コミュニケーション効率は低下、そしてイノベーションが起こらなくなります。
・役割やビジョンが曖昧だと社員の離職が増えます。
その補充には1人あたり平均して年収の2倍のコストがかかります。
その影響は明らかです。
意図的な文化を構築することは単に働きやすい場所を作ることだけではなく、ビジネス上のパフォーマンスと成長の重要な推進力なのです。
「混沌、混乱」対「意図的な文化」モデル
「混沌、混乱」対「意図的な文化」モデルであなたの会社の文化を診断してみてください。
この4象限のフレームワークにあてはめると、あなたの組織の現在の運営スタイルが分かってしまいます。
- 「混沌、混乱」の文化(低い意図性、コントロールが効かない):高エネルギーですが方向性がなく、従業員は放置され、何でも自分で解決しなくてはならないと感じています。
- 命令と統制(低い意図性、高いコントロール):高度に構造化されていますが硬直的で、リーダがすべての決定をコントロールしています。
- 幸運な偶然(高い意図性、低い実行力):リーダーが文化について素晴らしいアイデアを持っていますが、それらを効果的に実行するシステムがありません。
- 意図的な文化(高い意図性、高い実行力):明確なコアバリューとシステムが従業員をエンパワーし、成果も生み出す理想的な状態。
関連記事:「企業カルチャーのマトリクス」の解説
意図的な文化に向かう5つのステップ
1.現在の文化を診断する
まずはあなたの組織が現在どうなっているかの明確な理解が必要です。
組織カルチャーのチェックアップのようなツールを使って現在の位置を特定します。
次に、ピープル・アナライザーを活用してチームをさらに評価し、摩擦点を明らかにします。
以下について考えてみましょう:
・私たちの人員の80%はコアバリューを体現し、彼らのポジションで優秀な成果を上げているか?
・戦略について考えるよりも、スタッフの行動を管理することに多くの時間を費やしているか?
・組織の最大の非効率性とフラストレーションの原因がどこにあるか、具体的に知っているか?
自分に正直になって評価してみてください。
それが「意図的な文化」を築く取組みのスタートとなります。
2.コアバリューを言語化し活用する
コアバリューは意図的な文化のコア、心臓です。
コアバリューはすべての意思決定の根拠になります。
それはあなたのビジネスが何を基礎としているかを表しており、人材の採用・解雇・褒賞から戦略の実行まで、すべての決定の基礎となるのです。
コアバリューの策定にあたっては、経営チームとのブレインストーミングから始めて、3~7つのあなたの会社に特有の価値基準、行動基準を特定します。
コアバリューが決まったらそのままにしておかずに、社内で活用するのです。
例えば、
・採用時の判断に用いる(正しい人を正しい席に)
・「ピープル・アナライザー」を使って既存のチームメンバーを評価する
・コアバリューに沿った行動を認め、称賛する
このようにコアバリューを日々「実践」することで、組織のアイデンティティが強化され、だんだんと皆が同じ方向にオールを漕ぐようになっていきます。
3.アカウンタビリティチャートで組織をデザインする
「意図的な文化」の構築には正しい人が正しい席にいることが必要です。
アカウンタビリティチャートは役割、責任、レポートラインを明確にし、混乱をなくします。
・メンバーそれぞれが自分の役割を理解し(Gets it)、やる気があり(Wants it)、能力・経験(Capacity)が十分かどうかを評価する
・組織目標から逆算して役割をマッピングし、「間違った席」に誰も陥らないようにする
このプロセスによって意思決定をシンプルにし、非効率性を減らす
適切な構造があれば、組織のすべてのレベルでビジョン実現が簡単になります。
4.EOSの「ミーティングのリズム」をインストールします
意図的な文化の醸成には継続的なコミュニケーションが必要です。
EOSの「ミーティングのリズム」を実行しましょう。
週次、四半期ごと、年次会議のリズムによって全従業員を「オントラック」の状態に保ちます。
・週次の「10点満点ミーティング」:週次の数値目標をレビュー、優先事項が進捗通りかどうかチェックし、課題を解決します
・四半期のチェックイン:会社の「石」(90日間の優先事項)に対する進捗を再評価します
・年次計画:文化とコアバリューと整合性を保つために、ビジョンを再検討します
これらのデザインされたミーティングは混沌・混乱、または意図しておらず望ましくもない相互作用の代わりとなります。
ミーティングで一緒に過ごすすべての瞬間が、結果につながります。
5.「石」(※)と「数値」でカルチャーを強化する
「意図的な文化」に結果責任と明確さが加わると無敵です。
「石」は個人とチームにとっての90日間の最優先事項。
すべての行動を会社全体の、長期的なビジョンに結び付けます。
数値はビジョンへの進捗を追跡し、実現性チェックとしても機能します。
全員が、自分が何に対して責任を負っているのか理解できます。
自分の仕事がより大きなビジョン実現にどのように影響を与えているかを知ると、理解が深まりエンゲージメントが急上昇します。
関連記事:コアバリューをマーケティングに組み込む3つのヒント
※石:四半期の最優先事項を表すEOSの用語
カルチャー変革のための90日間行動計画
さっそくあなたのビジネスで「意図的な文化」を実装し始めましょう!
そのためのタイムラインは以下の通りです。
・第1~2週:現在の文化を診断する。
そして「意図的な文化」実装のための課題を特定する
・第3~4週:コアバリューを定義し、組織全体で共有する
・第5~6週:アカウンタビリティチャートを構築し、経営チームとブラッシュアップする
・第7週:EOSの「ミーティングのリズム」を全社に展開する
・第8~12週:各チームメンバーのための「石」と数値を設定しフォローする
・継続的に:四半期ごとにコアバリューを実践した人を評価・称賛する
カルチャーの構築・浸透は一度限りの取り組みではありません。
継続的なプロセスにすれば、結果が見え始めてきます。
さあ、あなたのビジネスを成長させる準備をはじめましょう
「混沌・混乱」から「意図的な文化」への移行は小さな仕事でも、簡単な仕事でもありません。
しかしそれをやり切った時のリターンは否定のしようがありません。
役割やミーティング、そして日々の行動まで、組織のあらゆる活動がコアバリューに沿っていること。
それを確実にすると、従業員はより生産的になり、それだけでなくフルにエンゲージメントし、コアバリューからインスピレーションを受けとってくれる環境を作り出すことができます。
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